みなさんは大きくて深い森の中に住む、「うるう」というおばけを知っていますか?
転校してきたばかりの僕は、行ってはいけない森で彼と出会いました。
「スギの木にマツボックリが実ったら、スギボックリダだ。
イチョウの木にマツボックリが実ったら、イチョボックリだ。」
ヘンテコな格好をしたそいつは言っていることまでヘンテコで、僕は彼と友達になりたいと思いました。
ですが、彼はなぜだか友達にはなれないと言います。
「私はいつも余りの1だったんだ。」という彼には、誰に言えない秘密があったのです。
すこし寂しくて とても哀しい 2人のおはなし。だけど、
すこし嬉しくて とても優しい 2人のおはなし。
「私は何いつも余りの1だったんだ。」という言葉が、どうしてこんなにも刺さるのか。
子どもの頃の自分にも見せてあげたい1冊です。
著者の描く緻密な絵も見どころなので、ぜひ読み終えた後はすこし余韻に浸ってください。