スタッフのおすすめ
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なめらかな世界と、その敵
- 著者:
- 伴名 練/著
本のタイトルと表紙だけではイメージし難いかもしれませんが、この本は過去~近未来を舞台にしたSF短編集です。
それぞれの話にはほとんど何の説明もなく、いきなり異なる世界に放り込まれて戸惑いながらも話が進んで行き、いつの間にか私達は知らない間にその世界に引き込まれてしまっています。
普段、SFを読まない私もその一人。
この本を読んだ後受けた印象は、
「いったいどれだけの本を読めば、これほどの文章がかけるのか?」と、
「本当に自由な発想力・想像力というものは、きちんとした知識があってのものなんだな」
というものでした。
とは言え、この本を読む時はあまり身構えず、できるだけ頭を柔らかくして読むことをお勧めします。 -
あまり目にしたことのない、著者「大柴宗徹」の名前。でも表紙に写る男性は見たことがある。
誰かと思えば、タレントの「ルー大柴」ではありませんか。
しかも、茶道・遠州流の師範とのこと。
ちょっと興味をそそられて読んでみました。
彼が茶道を始めたきっかけから、茶道を通じて感じたことや得たこと。
それらが、彼独特の“ルー語”で書かれています。
一見ふざけているような文章ですが、内容はいたって真面目。
そして、今まで私が茶道に対して持っていた堅苦しいイメージを一新してくれました。
また、なぜ茶道が何百年もの間、日本で途切れることなく受け継がれてきたのかも理解できた気がします。
茶道を始める勇気はまだありませんが、機会があれば一度お茶にお呼ばれしてみたい。
この目で実際に、おもてなしする側の方の作法と所作を見てみたい。
そう思わせてくれるような本でした。 -
アライバル
- 著者:
- ショーン・タン/著
この本は絵本ですが、文章やセリフが全くありません。まるでセピアカラーのサイレント映画を観ているようです。
ページをめくりながらわかることは、男性が何かしらの事情があって
家族と別れて新しい土地に移り住まなければならないこと。
全く見知らぬ土地は異様にみえるけれど、そこで出会う様々な事情を抱えた人たちは決して不親切ではなく、
そんな彼らの助けを得ながら、徐々に自分の新しい生活を築いていく男性。
そしてー
読み終わった後、すべての人たちの苦労が報われ、幸せで平穏な生活が送れることを願わずにはいられませんでした。
そこに登場する誰に自分を重ね合わせるかは、人によって違ってくると思います。
だからこそ色んな年代の方に読んでいただきたい、そんな絵本です。 -
僕は庭師になった
- 著者:
- 村雨 辰剛/著
彼の事をテレビ番組で知り、その外見と彼の職業のギャップに興味を持ち読んでみたのが本書です。
彼の飾らない文章からは純粋な日本文化への憧れと敬意、また庭師という仕事に対する誇りが感じられ、とても好感が持てました。
今後の彼の活動に注目し、応援したくなる1冊です。
余談ですが、彼が影響を受けた造園家として小堀遠州の名と、頼久寺の名前が挙がっているのが岡山に住む人間としてちょっと嬉しかったです。 -
ゲイだけど質問ある?
- 著者:
- 鈴掛 真/著
誰もが疑問に思ったり、知りたいと思っていたゲイについてのあれこれ。
疑問に答えてくれる人もおらず、想像だけ膨らませている人も多かったのではないでしょうか?
そんな皆が持っていた疑問・質問に、ゲイであり歌人でもある著者が分かりやすく答えてくれています。
彼の言葉は飾らず率直で、時に友人のように親しみやすく、一人の人間として読んでいてとても好感が持てました。
『ゲイである』ということは、彼という人間を構成する大切な要素になっています。
他の誰でもない自分を決める大切な構成要素は、『ゲイである』ということでなくても、誰もが生まれながらに持っているものだと思います。
何も知らずに自分の世界を限定するより、多種多様な主義志向をもつ人達と一緒に、今まで目を向けなかった世界を見ることが出来れば、
世界はもっと広く、楽しくなると思いませんか?
そのためにも是非、この本を読んでみて下さい。 -
資格試験に「忙しくても受かる人」と「いつも落ちる人」の勉強法
- 著者:
- 鬼頭 政人/著
試験のための勉強ってどのようにしたらいいのだろうと思い、手に取ったのがこの本です。
受かる人、落ちる人は行動にどんな違いがあるか。どんなふうにモチベーションを保っているのか。
筆者は、自分の信じた方法をやりきればどんな試験にも合格できると述べています。
あなたのベストな勉強スタイルを探してみませんか。 -
給食アンサンブル 飛ぶ教室の本
- 著者:
- 如月 かずさ/著
マーボー豆腐、黒糖パン、ミルメーク…
6人の中学生それぞれのストーリーが
給食のメニューを軸にして
清々しい筆致でつづられています。
好きなメニュー、苦手なメニュー、
給食にまつわる思い出、あなたにもありませんか。
ずっと昔に中学生だった私はこの本を読んで、
その頃のキラキラした
一生懸命な気持ちを思い出しました。
児童書ですが、大人のあなたにもぜひ…。 -
14歳、明日の時間割
- 著者:
- 鈴木 るりか/著
小学生の時、3年連続で「12歳の文学賞」大賞を受賞し、中学生で作家デビューをした著者の第2作目の作品です。
一つの中学校を舞台に、そこに通う生徒とその周りの大人たちの人間模様を描いたお話です。
各章ごとに違った主人公が登場し、その誰もがいろんなモヤモヤを抱えています。
それは時代や環境によって内容が違っていても、きっと誰もが経験したことがある、もしかしたら今も抱えているモヤモヤ。
かつて14歳だった私は、登場する皆のモヤモヤに時にはクスリと笑い、時には心を痛めたり。
”書いたのが中学生だから”と思われるかもしれませんが、今、中学生の彼女だから書けた本だと思います。
是非、これから14歳になる人、今14歳の人、かつて14歳だった人に読んで頂きたい一冊です。 -
嚙みあわない会話と、ある過去について
- 著者:
- 辻村 深月/著
「嚙み合わない会話」と「ある過去」とはどういう意味?と
読み始めてみると、想像通り「わ~」という気持ちになる本でした。
登場人物たちの気持ちが嚙み合わない短編4編。
でもふと思うんです。
そもそも会話って嚙み合うものなのでしょうか?
言い間違いや、思い込みで意思疎通が出来なくて、
誤解してたなんて事わりとありますよね。
だからなのかページをめくるのをやめられなくて、
気付けばあっという間に読み終わってしまう1冊でした。 -
ありえないほどうるさいオルゴール店
- 著者:
- 瀧羽 麻子/著
ありえないほどうるさいオルゴールの音ってどんなのだろう?
そこのオルゴール店の店員さんは特殊な意味で耳が良いそうで、
お客様が希望すれば一人一人に曲を選んでくれるそうなんです。
見た目も音も可愛いオルゴール。
それが沢山並んでるお店を想像するとワクワクしてきませんか?
もし自分が特別な一曲を選んでもらえたなら、どんな気持ちが味わえるんでしょうか。
そんなお店、現実にあればいいのに。